爪が伸びすぎると。その⒈

そのほか、こんなことあったよ!

ヒトの指先には爪が生えていますよね。
そして、少しづつ伸びるのは皆さんも十分にお分かりだと思います。

動物にも、当然、爪は生えているわけで、爪の形状や役目は動物によって
様々であることは、動物に興味をお持ちの方ならある程度はお判りでしょう。

爪のお話でも、話題は一杯ありますので、今回はイヌやネコの「過長爪」ーかちょうそう の事をお話ししたいと思います。

イヌやネコの爪は筒状の形になっています。特にネコは先端が下側に向かってカーブを描きながら鋭くとがり、ネズミや小鳥を捉えやすい「かぎ爪」です。
イヌでは地面を足の裏で踏みしめ、蹴りだすときにスパイクの様に地面を捉えます。
ちょっと余談にはなりますが、前足の内側、脚の先端よりも少し上側に人の親指の爪に相当する爪が生えていて、これは他の指の爪とは対向性に向くことができる爪なので、ネコでは獲物をよりしっかりキャッチできますし、イヌでは走っている時の方向転換や急ブレーキ、下り斜面を下りる時に役立ちます。

動物にとって、爪は毎日使う消耗する部分ですから、それを補うように伸び続けるのです。

ネコでは皆さんのご存じのように、爪を研ぐことで古くなった爪の表面をはぎ取って鋭くとがった爪をキープします。
イヌでは歩く、走る、で自然に減ります。
そうして爪本来の形状、機能を保つのですね。

しかし、生活習慣や、高齢化で本来の爪の形状、機能を保ちにくい場合があるのです。
そうなると、ネコでは爪が伸びすぎて小さいカーブを描いて一回りしますので、その結果自らの肉球に刺さりながら伸び続けてしまいます。
高齢で爪とぎをしなくなったネコ、偏った爪とぎの傾向があるネコは歩きにくくなる前に爪切りが必要です。
イヌはネコの爪とぎのようなセルフケアはしませんので(たまに自分で爪をかじって短くなっているイヌもいますが)伸びすぎはイヌの方が常に問題になることが多いのです。
犬種や生活空間、散歩の時に出るクセで爪の減り方はさまざまです。
そして年齢を重ねるごとに爪の伸び、減りのクセは目立つようになります。
伸びすぎた爪は割れたりはがしやすくなり、それだけでなく指や足の骨格にも影響します。
しかも、一度に丁度良い長さに切りますと爪の中の血管も伸びていることが多く、出血しますから、止血が必要で、少しづつ短くする場合も多いのです。
もうこうなると自然には元に戻りませんから

爪はこまめにチェックするようにしましょう。
もし、爪切りが必要でお家では難しい場合は早めに来院を!
おすすめします。

下のこれらは高齢で爪とぎをしなくなったネコの前足、爪が伸びすぎた様子と、
伸びて食い込んだ親指の爪を切って刺さった爪を取り除いたところです。